2013年11月28日木曜日

火の大切さ

















 私は、釣った魚をさばいて七輪で焼いて食べるのが好きです。
子どもたちも美味しそうな音を立てて焼ける魚を、
まだ焼けない?まだ?まだ?とワクワクしながら見ています。

 
今は、子どもたちに危ないからと触らせなかったために、
「火」が熱いことや、
「火」の熾し方を知らない子どもまで現れているそうです。


便利で安全なものというのは重要です。
IHを否定するつもりはありませんが、
でも、子どもが普段の暮らしの中で
一度も火を見ないで成長してしまったら、
どういう大人になってしまうのだろう。


例えば、電子レンジでチンした魚と、
お庭で火を熾し炭火で焼いた魚。


どちらが美味しく感じるだろうか。


あっという間に出来上がり、
手間もかからず、
便利で手を汚すこともなく、
火傷をする心配もなく、安全なのは、電子レンジで調理された魚だろう。

 ◯分とセットして、ボタンを一つ押せば出来上がります。
 すべて機械任せです。


 方や、自分で七輪にセットした炭に工夫しながら火を灯し、
 パチパチという音を立てながら焼いた魚。

 もちろん、火を熾すまでも時間がかかり、
 焼き上がる時間も、
 電子レンジのように何分と計ることはできません。


 目の前にいる魚の様子を見る目と、
 ジュージューパチパチと火に炙られている音を聞く耳。

 ちょうどいい塩梅なのか、焦げてしまったのか、
 匂いで感じ取り、
 最後は魚を手で触り、その弾力で焼き具合を判断します。


 素材そのものの変化をしっかり観察しながら
 そうして出来上がった魚はどれだけ美味しく感じることでしょう。
 熱いものを触り、熱いと感じて初めてそれが危険だということがわかります。

 ここまでだったら大丈夫で、ここまでになったら危険だということも。


 時間と手間をかけたものがどれだけ美味しく
 感謝していただけるようになるかということも。


 火を使い料理をすることは、脳を活性化させるという研究結果も出ました。

 親子でこんな風にいっしょに楽料理をすることは、
 コミュニケーションの場にもなります。


 こんなワクワクする体験は、
 子どもにとって忘れられない思い出の一つになるでしょう。


 危ないからと何でも危険なものを子どもから遠ざけてしまうと、
 大切なものを見失うように思えてなりません。 
 
 近藤崇





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